女の最大の敵は女、最大の味方も女
女社会で仕事をはじめ、あっという間に数年が経った。
新人が理不尽な理由でいじめられるのは洗礼、とも言わんばかりな部署を経て、現在。入職当初から変わらず思うのは、女は強いということである。単純に、どんなことにも立ち向かう鋼のような強さを持っているということではない。
時には柳のように、柔軟に言葉も態度も変化させながら、相手の言い分に賛同しているように見せ、実は主導権を握るということが出来るのだ。
そして、話が通じない相手だと見切った瞬間には、ほぼ同性にしか伝わらない絶妙な冷たさで言葉を切る。
「女はただ話をきいてやればいい」というのは、私のまわりに限るとそう信憑性のある理論ではない気がする。
求めているのは根拠を明確にしたアドバイスで、結果である。
とはいえまだまだ女は男の下、という風潮がある現代。
最早それすらも味方につけてしまう女も、そう少なくはないことを知ってるだろう。
私はずる賢く、ひどく正直な女という生き物が
とても愛らしく思え、憎くくもあり、時々、怖い。
最大の敵、最大の味方とともにする時間は、いつだって濃厚で、甘美で、戦場なのだ。